医薬学書出版 洋學社

医療裁判 THE リアル

 

著 者

田邉 昇(中村・平井・田邉法律事務所)

発行年

2017年5月

分 類

医療制度

仕 様

A5判/総頁数184/本文174

定 価

(本体 2,400円+税)

ISBN

978-4-908296-06-2

 

 

序  文

 

 私の4冊目の単著での単行本である.

 今までの本が売れたのかどうかは知らないが,前著は発売すぐにamazonで類書中No.1の売れ行きであったらしく,洋學社の吉田様から,続編を出すように言われた.

今度は,特に外科系の医師に限らず,一般的な医師が読めるような総論的記載が中心である.

 しかしながら,今回も,以前「外科治療」誌(永井書店)に連載していた記事のリライトがほとんどである.裁判例を詳しく記載してあるので,じっくり読んでいただくと裁判例の論理運びなどがよくわかって面白いかも知れない.

 最近は,弁護士数も過剰で,わけのわからない提訴も後を絶たない.私自身も,いい年になってきたので医療のお世話になることも多く(2016年は生まれて初めて全身麻酔で手術を受ける羽目になった.とは言っても,4日連続でのスキーでの疲れからの転倒である),患者の抱く不満もわからないではないが,世の中,何でも思いどおりに行かないことをわきまえない人達が増えているし,それを利用している弁護士も増加している.

 2015年に参加した厚労省の医療事故調査制度の施行に係わる検討部会のせいで,医療事故調の話をすることも多いため,事故調ウオッチャーをしているが,この制度も,うまくいくのか心許ない.内容は,漸く科学的な医療安全というパラダイムへの転換が行われており,良いのだが,厚労省は予算獲得のために報告件数を水増し(報告要件を,特定機能病院の事故報告事業で計算しているが,全く要件が異なる)し,最近では,組織存続のためか報告要件を広げようと,医療事故調査・支援センターがいろいろ策動しているようである.

 医療界というところは,本当に自分を護るのが下手で,滅私奉公精神が芯から染みついている.医師法21条の解釈も,10年以上かかって佐藤一樹先生らと宣伝し,漸く最高裁判例が医師の間で普及してきたが,いまだに反対勢力もいる.なぜ,有利適切な解釈を採用せず,自虐的な解釈をとろうとするのか,不思議である.

 これに反して,患者側には優秀な弁護士が多いのか,宣伝が上手である.

 そういえばモンスター的な遺族のことを「遺賊」と呼んだことを,6ヵ月もたって蒸し返し,新聞社を利用してか,攻撃を加えてくる事件があった.誰がどのように仕掛けたのか知るよしもない(ことにしておく)が,この顛末も新たに書いたので,興味のある方はお読みいただけると真相がよくわかるだろう.ただ,単行本にするにあたっては,ほとんど匿名化してぼかしてある.真の真相?を知りたい方は飲みに誘って下さい.訴訟,講演,マラソンで全国に飛び回っているのでどこでもOK.

 

 

目  次

 

前書き

契約としての医療

自白・医療事故調査報告書の意味

同意書の意味

患者の契約違反(言うことを聞かない患者)

専門外の診療

免  責

使用者責任・監督責任

裁判に於ける添付文書

秘密漏泄罪

参考 医療契約書

 

おまけ

ある言葉狩り事件

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