医薬学書出版 洋學社

医師事務作業補助者のための32時間教本 改訂第2版

 

著 者

小林 利彦 (浜松医科大学医学部附属病院 医療福祉支援セ

       ンター センター長)

発行年

2018年10月

分 類

医学一般

仕 様

B5判/総頁数/228/本文208/32図/49表

定 価

(本体 3,000円+税)

ISBN

978-4-908296-13-0

 

 

はじめに

 

 この度,自著「医師事務作業補助者のための32時間教本~くりかえし読んでほしい解説書~」の改訂第2版を出版できる運びとなりましたこと,大変うれしく思います。

初版に関しては,「医師事務作業補助者」向けのテキストを,共著ではなく初めて単著で書くということもあり,ややプレッシャーを感じていたことを思い出します。また,時期的にも,2016年度の診療報酬改定内容が確定した直後でしたので,ホットな情報を皆さんに早くお伝えしたいという気持ちとも重なり,2016年度の初め頃は,パソコン画面に向かい必死になって執筆活動を行っていたことを覚えています。おかげさまで,その後,洋學社の皆さまのご尽力を得て,同年11月には出版することができました。正直,全国の医療関係者や当該領域に関心のある方々に,どれほど読んでいただけるのか不安もありましたが,予想をはるかに上回る数多くの皆さんにご購読いただけたようで,安堵するとともに大きな満足感が得られました。そのような経緯のもと,出版社の方からは,「第2刷」として増刷刊行していただけるとの連絡をいただきましたが,2018年2月という時期であったことから,出版の了解とともに,2018年度の診療報酬改定を踏まえた「改訂版」の執筆も可能であることをお伝えしました。

 結果的に,2018年度初頭も,2年前と同様に,慌ただしく執筆活動に勤しむこととなりました。ただし,前回の経験等が大きく生かされ,今回は出版までの期間を比較的短くすることができ,個人的には満足しています。やはり,新しい情報はより早く,関係者の方々へお伝えすべきというのが私の持論です。さて,今回の診療報酬改定では,関係者の皆さまはご存知だと思いますが,「医師事務作業補助体制加算」において,その配置状況に応じた点数が一律50点ずつアップしました。医療界全体として,診療報酬の抑制に向け厳しい風が吹いている状況下,「医師の働き方改革」に関しては,いまだ追い風が吹いている印象もあります。ただし,今回の改定では,各点数のアップとともに,同加算を申請する病院に対して,より具体的な「勤務医の負担軽減策」の実現を求めており,これまでとは異なり,病院の本気度が試されているようにも感じます。

 2008年に「医師事務作業補助体制加算」が新設されて10年が経過しましたが,当該職種に対する初期研修や生涯教育等の重要性は,これまで以上に高まっていると思います。実際,関係する学会や研究会,勉強会なども,全国各地で行われるようになってきましたが,給与や待遇等が決して恵まれていない医師事務作業補助者にとって,遠方で開催される勉強会等に参加することは容易でないと考えます。本著の初版でも強調しましたが,今回の改訂版でも,私的には,決して「暗記する」必要はなく,「バイブル的に」繰り返し読んでいただく「教本」を目指しました。ある意味,自宅あるいは自施設での「学習用本」としてご使用いただくことを願っています。

 全国に数万人はいるとされる「医師事務作業補助者」やその関係者の方々にとって,本著が,末永く手元においていただける「教本」とでもなれば望外の喜びです。

 

 

 

 

目  次

 

01 時限目 医療機関で働く人たち

1 医療機関( 病院)とはどんなところか?

2 病院で働く職員

3 病院事務職員の課題

◇コラム1 「師」と「士」

 

02 時限目 医師の業務

1 医師という職種

2 医療の代行

3 「チーム医療」における医師の役割

4 医師の「働き方」と「ワークライフバランス」

◇コラム2 「コメディカル」と「コ・メディカル」

 

03 時限目 医師事務作業補助者の役割

1 「医師事務作業補助者」という職種の由来

2 「医師事務作業補助者」という名称の登場

3 医師事務作業補助職の課題

◇コラム3 医師事務作業補助者に期待される院内業務

 

04 時限目 医療関連法規

1 医療関連法規とは

( 1 )医師法

( 2 )医療法

(3 )保健師助産師看護師法

(4 )薬剤師法と医薬品医療機器等法

2 その他の「医療関連法規」

◇コラム4 地域包括ケアシステム

 

05 時限目 個人情報保護

1 プライバシーとは

2 「個人情報保護」に関する各種法規の位置づけ

3 情報漏洩防止に向けた対策

◇コラム5 個人情報の想定損害賠償額について

 

06 時限目 医療保険[ 1 ]

1 医療制度と社会保障

2 医療費について

3 医療保険制度

◇コラム6 診療報酬が適正に支払われるための条件

 

07 時限目 医療保険[2 ]

1 「感冒」で突然大学病院を受診すると

2 「高額療養費制度」および「限度額適用認定証」

3 指導と監査

◇コラム7 「混合診療」の禁止

 

08 時限目 介護保険

1 「介護保険」の基礎知識

2 介護領域におけるアセスメントと専門用語

3 「主治医意見書」を書く上で必要な知識

◇コラム8 「認知症」と「がん( 末期)」

 

09 時限目 外来と入院

1 外来の流れ

2 入院の流れ

◇コラム9 ホテルとは異なる料金体系

 

10 時限目 診療録に関する基本的事項

1 診療録とは?

2 診療録や問診票に記載される事項

3 POMR とSOAP

◇コラム10 略語について

 

11 時限目 DPC

1 コーディング

2 DPC とDPC/PDPS

3 「出来高請求」と「包括請求」

◇コラム11 DPC データの二次活用

 

12 時限目 電子カルテ

1 電子カルテの導入

2 電子保存の3 条件

3 標準化の重要性

4 電子カルテを取り扱う際の注意事項

◇コラム12 JAHIS による電子カルテの定義

 

13 時限目 診療録記載の実際

1 診療録記載のタイミングとポイント

(1 )診察前の各種情報収集

(2 )診察中の診療記録

(3 )診察終了後の確認作業

2 5 W 1 H による記載

3 カンファレンス記録

◇コラム13 IC( Informed Consent)について

 

14 時限目 クリニカルパス

1 クリニカルパスとは?

2 クリニカルパスのイメージ

3 クリニカルパス導入の効果と課題

4 その他の「クリニカルパス」

◇コラム14 暗黙知と形式知

 

15 時限目 退院時サマリー

1 「退院時サマリー」とは?

2 「要約」を記載する意味・残す意義

3 医師事務作業補助者の役割

◇コラム15 「転帰」について

 

16 時限目 診療情報提供書

1 診療情報提供書と返書

2 地域連携室など

3 電子署名とタイムスタンプ

◇コラム16 2種類の診療情報提供料

 

17 時限目 各種診断書

1 医療文書の種類

2 生命保険会社等の証明書記載において注意すること

3 各種診断書・証明書の特徴

◇コラム17 診断書や証明書等の料金設定

 

18 時限目 医療安全対策

1 「医療安全対策」の歴史的推移

2 誤認防止

3 インシデントとアクシデント

◇コラム18 全職員向けの研修会

 

19 時限目 感染対策

1 医療関連感染と標準予防策

2 感染対策チーム

3 消毒・滅菌

◇コラム19 ハザードマーク

 

20 時限目 医学用語[ 1 ]

1 医学用語について

2 人体解剖図と器官系

◇コラム20 接頭語と接尾語

 

21 時限目 医学用語[ 2 ]

1 診察の場面で出てくる医学用語

2 「説明書」と「同意書」

3 治療法の種

◇コラム21 検査結果の未確認

 

22 時限目 医学用語[3 ]

1 基本的所見

2 内科系疾患の医学用語

(1 )神経内科

( 2 )皮膚科

3 内視鏡検査

◇コラム22 注射用抗がん剤の調製・混合時の被ばく問題

 

23 時限目 医学用語[ 4 ]

1 外科系診療科の特徴

2 周術期管理

3 手術記録

◇コラム23 手術術式( K コード)

 

24 時限目 医学用語[ 5 ]

1 どれだけの病名を覚えれば良いのか?

◇コラム24 レセプト病名

 

25 時限目 医薬品の管理

1 薬剤師の業務

2 医薬品の用法と形状

3 処方箋の記載ルール

4 麻薬・向精神薬等

◇コラム25 劇薬・毒薬の色分け

 

26 時限目 臨床検査

1 臨床検査部門の業務

2 検体検査

(1 )血算検査

(2 )生化学検査

(3 )その他の血液検体検査

(4 )尿・糞便検査

(5 )培養検査

3 病理検査

4 超音波検査

◇コラム26 輸血・血液の管理業務

 

27 時限目 画像診断・放射線治療

1 画像診断部門につい

2 画像診断と画像保存

3 放射線治療

◇コラム27 画像撮影装置の特長

 

28 時限目 医療機器の保管・管理

1 医療機器の保管・管理

2 臨床工学技士の仕事

3 医療ガスについて

◇コラム28 foolproof とfail-safe

 

29 時限目 手術室

1 手術室の内部構造

2 手術の流れ

3 医療安全対策に関して

◇コラム29 手術器具について

 

30 時限目 救急外来・集中治療室

1 救急外来診療

2 集中治療部門

3 「ハリーコール」と救急カート

◇コラム30 人工呼吸器の条件設定

 

31 時限目 リハビリテーション

1 リハビリテーションの意味と種類

2 セラピスト( 療法士)の種類と業務

3 回復期リハビリテーション病棟

◇コラム31 サルコペニア・廃用症候群・HAD

 

32 時限目 栄養管理

1 栄養評価の重要性

2 管理栄養士

3 管理栄養士と「チーム医療」

◇コラム32 接遇につい

 

文 献

索 引

さいごに

 

 

 

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