速習 電子カルテと代行入力
『復習テスト』で理解度UP!
著
今田 光一(若草第一病院スポーツ整形外科部長/医療情報担当部長)
発行年 2023年10月
分 類 医学一般
仕 様 A5判/総頁数112/本文103/26図/3表/2色刷
定 価 1,980円(本体 1,800円+税10%)
ISBN 978-4-908296-22-2
※本書は電子書籍としてご購入いただくことができます。
機関向け電子書籍は丸善雄松堂「Maruzen ebook Library」、紀伊國屋書店学術電子図書館「KinoDen」、個人向け電子書籍は丸善雄松堂「knowledge worker」、メテオ「メテオ・メディカルブックセンター」をご覧ください。
多忙な医療事務職者のために作成された電子カルテと代行入力に関する速習教本。
電子カルテ普及の変遷や現場実務レベルで求められるルール・必須知識をやさしく学ぶことができます。
代行入力で避けて通れない『クリニカルパス』の知識も厳選収載。さまざまなシチュエーションを想定したQ&A形式の『復習テスト』は、さらなる理解向上の助けとなります。
<序文より>
医師事務作業補助者およびクラークは,医師の診療記事の記載・入力,処方せん作成,診断書などの書類作成等を通じて医師業務の負荷軽減を担うとともに,病院の診療の質にかかわる多くのデータを集積,出力するブレインとしてもそのニーズが高まっており,現在は医療機関にとどまらず,介護分野や地域包括ケアシステムへも活躍の場を広げることが期待されている。
このような業務は,電子カルテを代表とする医療情報システムを介しての代行入力,統計,データ分析などが基盤となっているが,これまで医師事務作業補助者やクラーク向けの電子カルテのテキストはほとんど作成されておらず,法律などのルールについてもわかりやすくまとめられたものはない。その一方で,所属する病院の医療情報委員会やクリニカルパス委員会,診療録委員会など多くの会議メンバーとして医師事務作業補助者・クラークが出席することや,電子カルテの
導入や更新にコアスタッフの一人として参画することもあたりまえとなってきた。
かつて「オタク」「マニアック」「あまりに専門的」ともとらえられていた医療情報システムについて学ぶ機会は決して多くはなく,いきなり会議に出たとしてもわからない単語で何も発言できなくなってしまったというような経験はないであろうか。
本書は,短時間で読み流すことで医師事務作業補助者やクラークが病院の電子カルテの基本的知識を身につけられるようになることを目的に,筆者が行ってきた各種の講演や質疑応答の記録などから,知っておくべき電子カルテの基本をできるだけ現場の事例にあげて,より実践的にまとめたものである。医師事務作業補助体制の歴史やルールについては省いてあるので成書を参照してほしい。
臨床現場にいる事務職員が,医療職や院内他部署とのディスカッションを堂々と行え,自分たちの部署の改革アイデアを提言できるようになることを期待する。本書を何回も読み直し,多くのメモ書きを加えて携えていただければ幸いである。
なお,本書では,診療報酬上の医師事務作業補助体制加算の算定対象となるかどうかにかかわらず,代行入力や書類作成など医師の事務作業補助の業務をしている事務スタッフを「クラーク」,そのなかで,医師事務作業補助体制加算の算定対象になっているクラークを「医師事務作業補助者」と呼び分けて記載している。
目 次
Chapter 1.電子カルテの基本
1.電子保存の三原則
2.紙カルテから電子カルテへの変遷
3.電子カルテシステム化のレベル
4.一般的な電子カルテの構成とHIS
5.画像部門システムと用語
6.文書管理システム
7.電子カルテデータの標準化
8.電子カルテのマスターと標準マスター
● 復習テスト
Chapter 2.電子カルテの代行入力
1.代行入力の大原則
2.電子カルテ入力のルールと書類作成代行の掟
3.代行入力の落とし穴
● 復習テスト
Chapter 3.電子カルテと個人情報の保護
1.アクセス権限
2.二要素認証
3.医療機関での個人情報取り扱いの実際
● 復習テスト
Chapter 4.電子カルテの更新時のデータ移行
1.移行が必要な項目
2.電子カルテ更新時のマスター作成
3.未来オーダの移行作業
● 復習テスト
Chapter 5.クリニカルパスの基本とクラークの業務
1.クリニカルパスとは何か
2.アウトカムの重要性
3.クリニカルパスの運用における事務職のかかわり
● 復習テスト
Chapter 6.電子カルテの管理組織に関するクラークの役割
1.院内委員会への参画
2.文書の登録・管理
3.オーダセットやクリニカルパスの電子カルテへの登録