イラストでやさしく学ぶ 素敵な漢方の世界



川口 惠子(川口レディースクリニック 院長)

 

発行年 2016年2月

分 類 東洋医学

仕 様 B5判/総頁数248/本文238/2色刷

定 価 3,630円(本体 3,300円+税10%)

ISBN 978-4-908296-01-7 在庫あり 正誤表


※本書は電子書籍としてご購入いただくことができます。

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「複雑系」にして「暗黙知」と称される難解な学問、「漢方」をやさしく紐解きます。

著者渾身のイラストを紙面ふんだんに用い、漢方療法を志す医師、薬剤師、そしてすでに実地臨床に漢方療法を取り入れておられる熟練者方々にもお読みいただきたい一冊です。

一枚一枚丁寧に書き上げたやさしいタッチのイラストが、「素敵な漢方世界」へ読者を誘います。漢方医学を難しく感じさせない工夫がイラストにより施され、読者の「漢方苦手意識」を一気に吹き飛ばします。 

漢方の世界をイラストにしたら面白いだろうなと思って頻用処方をイラストにした「女性の頻用漢方イラストレイテッド」を出版したのが平成20年でした。その後予想外に多くの方から面白かったとお褒めの言葉を頂きました。そして複数の方から「次は症候別のイラストを書いて」と言われました。私もそうしたいと思ったのですが日常の診療に追われて時間が経ってしまいました。そんな折、一昨年洋學社の吉田收一氏から漢方に関するイラスト本を出版しませんかとメールを頂きました。ずっとコンピューターグラフィックのレッスンは細々と続けていましたが、再び情熱が湧いてきて寸暇を惜しんでイラストを描きました。


今回は漢方の基本概念(難しい内容を一枚のイラストにするのは無理がありますが)、疾患・症候別によく使用される漢方薬、そして頻用処方の三章にしました。時間の許す限り多くのイラストを描きました。文字による説明部分はできるだけ簡潔に分かりやすくしたいと考えました。私は高校生の頃、物理でも化学でも数冊の参考書の要点だけを書き写しサブノートを作るのが好きでした。今回もその要領で後記の参考文献を参考に、また要所々々を引用させて頂いて分かりやすくしたつもりです。

第三章の頻用処方解説については高山宏世先生の「漢方常用処方解説」、長谷川弥人先生、大塚恭男先生、山田光胤先生、菊谷豊彦先生の「漢方製剤 活用の手引き」、寺澤捷年先生の「症例から学ぶ和漢診療学」、矢數道明先生の「臨床応用漢方処方解説」などから多くを引用させていただきましたが浅学の身、多々間違いもあると思いますので御指摘下さい。


漢方の本は高名な先生の書かれたものが多数あり、私の本などおこがましいのですが、診察中に急いでパラパラと見たりするにはイラスト本のほうが見やすいこともあるようです。多忙な臨床の合間にこの本を手に取ってちょっと息抜き、笑って頂ければ嬉しいです。


最後にずっとコンピューターグラフィックの指導をして頂き、適切なアドバイスを下さった漫画家中垣慶氏、この本を書くように勧めて下さり出版に至るまで面倒をみて下さった洋學社の吉田收一氏、そこらじゅう散らかしながらコンピューターに噛り付いている私を温かくサポートしてくれた当クリニックのスタッフに感謝の意を表したいと思います。

2016年1月

川口 惠子

目  次

 

第1章 イラストでみる漢方医学の概念

 陰陽・虚実

 表裏・寒熱

 陰証

 陽証

 虚証と実証

 病気の原因

 気血水

  気虚

  気うつ

  気逆

  瘀血

  血虚

  水滞

 人体の構成

 五行と五臓六腑

  肝の失調

  心の失調

  脾の失調

  肺の失調

  腎の失調

 漢方の勉強が嫌になる理由

 六病位

  太陽病

  少陽病

  陽明病

  太陰病

  少陰病

  厥陰病

 

第2章 症状・疾患別頻用処方

 風邪

 アレルギー性鼻炎・花粉症

 咳・痰(気管支炎、気管支喘息)

 高血圧

 低血圧

 肥満・メタボリックシンドローム

 男性更年期障害・男性不妊

 胃痛・胃もたれ

 便秘

 下痢

 月経不順

 月経困難症

 不妊症

 妊娠中のトラブル

 産褥・育児のトラブル

 月経前症候群(PMS)

 更年期障害

 冷え症

 肩こり

 頭痛

 不眠

 めまい

 多汗症

 尿のトラブル

 アンチエイジング

 腰痛症・坐骨神経痛

 打撲・捻挫

 関節の腫れ・痛み・関節リウマチ

 皮膚掻痒症

 湿疹・皮膚炎

 にきび

 指掌角皮症

 いらいら・抑うつ・不安

 浮腫

 悪性腫瘍

 

第3章 頻用処方解説

 安中散(あんちゅうさん)

 温経湯(うんけいとう)

 温清飲(うんせいいん)

 越婢加朮湯(えっぴかじゅつとう)

 黄連解毒湯(おうれんげどくとう)

 葛根湯(かっこんとう)

 加味帰脾湯(かみきひとう)

 加味逍遥散(かみしょうようさん)

 甘麦大棗湯(かんばくたいそうとう)

 芎帰膠艾湯(きゅうききょうがいとう)

 荊芥連翹湯(けいがいれんぎょうとう)

 桂枝加芍薬湯(けいしかしゃくやくとう)

 桂枝加朮附湯(けいしかじゅつぶとう)

 桂枝加竜骨牡蛎湯(けいしかりゅうこつぼれいとう)

 桂枝湯(けいしとう)

 桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)

 香蘇散(こうそさん)

 五積散(ごしゃくさん)

 牛車腎気丸(ごしゃじんきがん)

 呉茱萸湯(ごしゅゆとう)

 五苓散(ごれいさん)

 柴胡加竜骨牡蛎湯(さいこかりゅうこつぼれいとう)

 柴胡桂枝乾姜湯(さいこけいしかんきょうとう)

 柴胡桂枝湯(さいこけいしとう)

 滋陰降火湯(じいんこうかとう)

 四逆散(しぎゃくさん)

 四物湯(しもつとう)

 芍薬甘草湯(しゃくやくかんぞうとう)

 十全大補湯(じゅうぜんたいほとう)

 十味敗毒湯(じゅうみはいどくとう)

 潤腸湯(じゅんちょうとう)

 小建中湯(しょうけんちゅうとう)

 小柴胡湯(しょうさいことう)

 小青竜湯(しょうせいりゅうとう)

 消風散(しょうふうさん)

 参蘇飲(じんそいん)

 真武湯(しんぶとう)

 清上防風湯(せいじょうぼうふうとう)

 清心蓮子飲(せいしんれんしいん)

 清肺湯(せいはいとう)

 疎経活血湯(そけいかっけつとう)

 大黄牡丹皮湯(だいおうぼたんぴとう)

 大建中湯(だいけんちゅうとう)

 大柴胡湯(だいさいことう)

 釣藤散(ちょうとうさん)

 猪苓湯(ちょれいとう)

 桃核承気湯(とうかくじょうきとう)

 当帰飲子(とうきいんし)

 当帰建中湯(とうきけんちゅうとう)

 当帰四逆加呉茱萸生姜湯(とうきしぎゃくかごしゅゆしょうきょうとう)

 当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)

 女神散(にょしんさん)

 人参湯(にんじんとう)

 排膿散及湯(はいのうさんきゅうとう)

 麦門冬湯(ばくもんどうとう)

 八味地黄丸(はちみじおうがん)

 半夏厚朴湯(はんげこうぼくとう)

 半夏瀉心湯(はんげしゃしんとう)

 半夏白朮天麻湯(はんげびゃくじゅつてんまとう)

 白虎加人参湯(びゃっこかにんじんとう)

 防已黄耆湯(ぼういおうぎとう)

 防風通聖散(ぼうふうつうしょうさん)

 補中益気湯(ほちゅうえっきとう)

 麻黄湯(まおうとう)

 麻黄附子細辛湯(まおうぶしさいしんとう)

 麻子仁丸(ましにんがん)

 抑肝散(よくかんさん)

 六君子湯(りっくんしとう)

 竜胆瀉肝湯(りゅうたんしゃかんとう)

 苓姜朮甘湯(りょうきょうじゅつかんとう)

 苓桂朮甘湯(りょうけいじゅつかんとう)

 

参考文献

索  引